仏壇の購入前に、どこに仏壇を安置するのか考えることでしょう。
そんな時に、どうすべきかわからないのが、仏壇の向きや方角ではないでしょうか。
東西南北どちら向きに安置するのが正しいの?
そんなよくある仏壇の向きや方角の質問に回答します。
正しい仏壇の向きや方角
かつては、たいていの家に仏間があり、仏壇は仏間に安置されているのが一般的でした。
しかし、生活様式が変わり、今では、仏間のない家や和室のない家も増えています。
そのため、
- どこに仏壇を置けばいいのか?
- どの向きに仏壇を置けばいいのか?
- どの方角を向けて仏壇を置けばいいのか?
といった疑問が出てきました。
仏壇の向きの3つの説
実は、仏壇をどちらに向けて置けばよいかには諸説あり、一般的には下記の3つです。
ただし、それぞれ一理ありそうですが、仏教には、四方浄土という言葉があり、東西南北に優劣や上下をつける考え方をしないので、方角に吉凶はありません。
つまり、仏教の教えからすると向きをする気にする必要はありません。
水まわりや直射日光の当たる場所を避けて、静かにお参りできる場所がよいでしょう。
ただ、どうしても気になるなら北向きだけは避けるとよいでしょう。
説1:南面北座説
偉い人は南に向いて座るという中国の慣習にならい、仏壇が北を背にして南を向くように安置します。
この置き方にすると、南向きに建てられることが多い日本の家屋では、直射日光が当たらず、風通しも良いため、湿気も防ぐことができます。
説2:西方浄土説
極楽浄土の方向とされている西方を向いて拝むことができるように、仏壇を東向きに安置します。
説3:本山説
仏壇に向かって正座合掌した時に、家の宗派の本山に向かって拝める方向に仏壇を安置します。
そのため、地域によって、西向きになったり、東向きになったりします。
宗派別の仏壇の向き・方角
浄土真宗・浄土宗・天台宗
浄土真宗、浄土宗、天台宗は、一般的には、仏壇を東向きに置きます。
この3つの宗派の本尊は阿弥陀如来で、阿弥陀如来は西方浄土にいるとされています。
そのため、その方角に向かって祈るように仏壇は東向きに置きます。
曹洞宗・臨済宗
曹洞宗と臨済宗では、一般に仏壇は南向きに置きます。
これは、上記の南面北座説とともに、釈迦が説法をするときに南向きに座っていたとされているためです。
真言宗
真言宗は本山説が一般的です。
つまり、拝む方向の延長線上に総本山がくるように仏壇を置きます。
そのため、仏壇を置く部屋と本山との位置関係により、方角は変わることになります。
日蓮宗
日蓮宗は、特別どの方角に向けて置くというものはなく、自由に置いて良いとされています。
お供え物の向き
仏壇にお供え物をするときの向きにも決まりがあります。
お供え物には、掛紙や包み紙が付いていますが、それらに書かれている名前などの文字が自分たちに向くように置きます。
仏にお供えするものでなので仏に向けるべきだという意見もありますが、 お供え物は、仏に差し上げるというものではなく、仏からもらうものと考えます。
そのため、私たちが受け取るかたちで、文字も私たちの方を向くように置きます。
仏壇の向き・方角のまとめ
仏壇の正しい向きや方角については、諸説ありますが、仏教の教えからすると、仏壇の正しい向きや方角についてはなく、仏壇の向きや方角については気にする必要はありません。
どうしても方角が気になるようなら、寺院の僧侶に聞いてみるとよいでしょう。