3分でわかる!キリスト教の葬送:家庭祭壇、お墓、埋葬、追悼儀礼

キリスト教式のお墓

キリスト教式のお墓を建てる時にも、まずどこに建てるか、墓地を決めることから始まります。

キリスト教では、協会が独自に墓地を所有していたり、教団が地区ごとに墓地を所有していることが多いです。
カトリックの教会では納骨堂を備えている場合もあります。
所属する教会、教団に墓地や納骨堂があれば、そこを利用することよいでしょう。

教会、教団に所有する墓地がない場合やあっても遠い場合には、宗教不問の公営墓地や民営墓地を探して、利用することになります。
その場合は、宗旨を問わずお墓が建てられるか、墓石の規定はあるかなどを確認しましょう。

キリスト教のお墓の構成、墓石の形

キリスト教では、1人が1つのお墓という個人墓が基本です。
ただし、最近では家墓も見られるようになりました。

墓石の形や付属品には、特に決まりはなく、自由に建てられます。
芝生の中に高さの低いシンプルな墓石を建てる場合が多く、洋型墓石もよく見られます。
また、墓石ではなく、十字架を建てることもあります。

キリスト教では、故人を供養するという考え方はありません。
お墓もその人の思い出を懐かしみ、神に感謝したり、自分自身のことを考えるための記念碑的なものと考えられています。

墓前には、花を飾ります。

キリスト教のお墓の墓石に刻む文字

墓石に刻む文字には、決まりはありません。
十字架や聖書の一節、好きな言葉などを刻んだものが多いです。
また、故人の洗礼名(クリスチャンネーム)を入れることもあります。

家墓として、家名を刻んだものも見られます。

キリスト教の埋葬

キリスト教では、本来が土葬なので、お墓がある場合は、火葬後すぐに墓地に埋葬することもあります。

一般的にはカトリックでは7日目の追悼ミサの翌日か1ヵ月後の昇天記念日に納骨を行うことが多いようです。
墓前に参列者が集まり、カトリックでは神父、プロテスタントでは牧師の立会いのもと、祈祷、聖歌(讃美歌)の斉唱をしてから納骨をします。
献花や献香などを行う場合もあります。

神父、牧師には、御礼を包むのが一般的です。

教会への御礼は寄付として

神父や牧師へのお礼は、教会への寄付となるので、金額に決まりはありません。
白封筒にカトリックでは御ミサ料、プロテスタントでは記念献金と表書きをして包みます。
神父や牧師個人に対して謝礼をする場合は、同じく白封筒に御礼や御車代などとして包むと良いでしょう。

キリスト教の家庭祭壇

キリスト教では、カトリックもプロテスタントも、祈りの場は協会が中心です。
家庭での祭壇の形や祀り方には特に決まりはありません。
供え物を捧げる習慣は、カトリック、プロテスタントともにありません。

しかし、タンスの上などに十字架や故人の写真をおいて故人を偲ぶことが多く、花を飾ったり故人の好物を供えるのも良いでしょう。

キリスト教用品の専門店では、仏壇に似た家庭祭壇を用意しているところもあります。
家具調の祭壇や小型のものもあるので、それらを利用する方法もあります。
祭壇はタンスの上などに置く上置きタイプや、床に置く大きなものもあります。
燭台や香炉、洗礼名を記した位牌などを置きます。

キリスト教の追悼儀礼・記念祭

キリスト教には、忌明けなどの風習はありませんが、仏式の法要にあたるもので、カトリックでは追悼ミサ、プロテスタントでは記念式(記念の集い)というものがあります。

カトリックでは追悼ミサを行います

カトリックでは、死亡した日から3日目、7日目、30日目などに教会で追悼ミサを行います。
追悼ミサは教会で行い、遺族、近親者、友人、知人が参列して、聖書の朗読や聖歌の合唱をします。
そして、ミサのあとは、別室か自宅で茶話会などを開いて故人を偲びます。

11月は、死者の月とされて、死者のためのミサやお墓参りをします。
特に毎年11月2日は死者の記念日の万霊節(オールソウルズデー)で、教会では死者のための特別なミサが行われます。

月の命日や祥月命日に命日祭を行うこともあります。
特に1年目を盛大に行うことが多いようです。

プロテスタントでは記念式(記念の集い)を行います

プロテスタントでは、死後1ヵ月目の昇天記念日(召天記念日)に記念式を行います。
記念式は教会や墓前で行うこともありますが、自宅で行うのが一般的です。

それ以降は特に決まりはありませんが、亡くなって1年後に記念式を行うことがあります。
また、亡くなってから4~5年目までは、毎年、祥月命日(昇天記念日)に記念式を行うことが多いようです。

記念式を自宅で行う場合は、花と遺影を飾った祭壇を作り、牧師を招いて祈りと説教をしてもらいます。
牧師、親類、友人を招いて聖書を朗読して賛美歌を合唱します。
その後、茶話会を開いて故人を偲びます。

キリスト教のお墓参り

キリスト教のお墓参りは、特に決まりはなく、基本的には故人の命日にお墓参りをします。
ただし、カトリックでは、11月2日の万霊節には、家族でお墓参りをする習慣があります。
教会で行われるミサに参加する前にお墓参りをすませることが多いようです。

お参りの作法も特にありません。
まず、お墓を清掃して清め、花を供えて拝礼します。

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