家族葬は、家族や親族のほか、特に親交の深かった人だけに知らせて参列してもらう葬式です。
家族葬では、故人をよく知る人だけが集まるので、形式にとらわれずに、ゆっくりと故人とのお別れができます。
ただ、家族葬をする場合に知らせる範囲に明確な決まりがあるわけではありません。
家族葬の場合には、親族であっても日ごろ行き来していない人は、危篤の連絡は控えても構いません。
葬式の連絡をする親戚の範囲の目安
危篤の連絡をする範囲の目安としては次の範囲になります。
本人の二親等(親・子・兄弟姉妹・祖父母・孫まで)から三親等(おじ・おば・おい・めい・ひ孫まで)くらいまでの血族です。
たとえ疎遠になっていても、両親や兄弟姉妹、子どもには連絡しましょう。
なお、危篤の連絡をするということは、葬儀の際に参列してほしいという依頼も意味します。
※数字は親等を表しています。
「家族」とはどこまで?
ところで、一般的な「家族」の範囲はどこまででしょうか?
実は、家族の範囲については、明確な定義はありません。
家族に似たような言葉に「親族」がありますが、こちらは明確に決まっています。
親族の範囲は、民法第725条(親族の範囲)で、
- 六親等内の血族
- 配偶者
- 三親等内の姻族
とされています。
血族は、血縁関係にある者で、言葉の通り血の繋がりがある人のみならず、養子も含みます。
姻族は、婚姻によって生じた親族関係のことで、配偶者側の血族を指します。
例えば、配偶者の両親、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の甥・姪などです。
六親等の血族となると、いとこの孫などが該当します。
また、三親等の姻族と言えば、配偶者の叔父叔母などが当たります。
そう考えると、親族は、一般的な家族の範囲よりも広い概念と言えそうですね。
なお、家族は、広辞苑では「夫婦の配偶関係や親子・兄弟の血縁関係によって結ばれた親族関係を基礎にして成立する小集団」とされていて、大辞泉では「夫婦とその血縁関係者を中心に構成され、共同生活の単位となる集団」とされており、やはり明確な定義はないようです。
友人や知人は家族葬に参列できるのか?
知り合いがなくなって家族葬を行うと聞いた場合に、参列するほうがいいのか、しないほうがいいのか、迷うことがあるでしょう。
そのような場合には、遺族から直接連絡がないなら、遺族の意向をくんで遠慮するのがマナーです。
故人とそれほど親しいわけでもないのに義理で参列したり、取り込み中に電話をかけて確認するようなことは避けましょう。
葬儀が終わって落ち着いたころに、弔問に伺いたいことを伝えて、了承を得てから訪問するようにしましょう。
万一に備えて連絡先リストを作っておく
家族葬の場合、誰に知らせればよいかわからず、連絡できないケースもあるでしょう。
参列してもらうことができなかったと家族が後悔することがないように、本人があらかじめ知らせる相手をリストアップしておくとよいでしょう。
例えば、最期を看取ってほしい人には◎、通夜・葬儀に参列して欲しい人には○というようにエンディングノートなどに書き込んでおけば、家族も速やかに連絡することができます。
住所、電話番号、メールアドレスなどすぐにわかるようにしておきましょう。
本人が会いたがっていた人、エンディングノートなどに記していた人、特に親しくしていた友人には、本人の意識があるうちにできれば会わせたいものです。
そうすれば、危篤の連絡を省略しても悔いを残すことがないでしょう。
危篤時の連絡の仕方
危篤の連絡には電話が適しています。
緊急事態ですから、深夜や早朝でも失礼にはなりません。
「夜分(早朝から)申し訳ありません」と詫びてから用件を切り出しましょう。