3分でわかる!墓じまいの定義・意味、墓じまいの仕方

墓じまいの意味・定義

最近、高齢者を中心に終活への関心が高まっています。
その中でも特に注目されているのが墓じまいです。

墓じまいとは先祖代々受け継いてきたお墓を処分することです。
より具体的に言うと、管理ができなくなったお墓を撤去して、中の遺骨を取り出し、新しいお墓に移すことです。

墓じまいは古いお墓の撤去+遺骨の移動

イメージで捉えられているため、誤解されている方も多いようですが、墓じまい=古いお墓の撤去ではありません
法律上、古いお墓を撤去したら、その中に入っている遺骨をどこかに移す必要があります。
遺骨を勝手に処分することはできません。

したがって、墓じまいとは、正しくは、古いお墓の撤去+新しいお墓への遺骨の移動になります。

墓じまいでは、寺院や霊園に現在の墓所を返還して、遺骨を永代供養墓に移す方法があります。
永代供養墓とは、霊園や寺院が使用者に代わって、永代にわたり管理、供養してくれる仕組みです。

墓じまいという言葉は最近生まれた造語

墓じまいという言葉は、近年生まれた造語です。
店じまいや仕事じまいのように、お墓にじまいを付けて、そのお墓を終えるというイメージで使われています。

これまでは、墓埋法(墓地、埋葬等に関する法律)で使用されている改葬という言葉が多く使われてきました。
改葬とは、お墓の中の遺骨を取り出して別の場所に移動して納骨することなので、墓じまいの一連の作業は、この改葬にあたります。

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とは言え、まだ墓じまい、改葬について十分な情報が提供されていないというのが現状です。
葬送に対する意識の変化などを背景に、お墓に対する考え方は多様化しています。

また、墓じまいには手間と労力、そして何より金銭的な負担もあります。
墓地の購入が一生に一度あるかないかの大きな買い物とすると、墓じまいは、2世代、3世代にわたって一度あるかないかの大きな決断です。

墓じまいの仕方

墓じまいは、墓石を撤去して更地に戻して、遺骨を新たな場所に埋蔵するというのが大まかな流れになります。
ただし、そのなかで、遺骨は勝手に取り出すことはできず、お骨を取り出すためには改葬許可証明書が必要になります。

そして、改葬許可証を取得するためには、

  • 移転先の墓地が発行する受入証明書
  • お墓を管理する墓地や寺院が発行する埋蔵許可証明書

の2つの書面が必要になります。

墓じまいの具体的な流れは次のようになります。

  1. 遺骨の新しいの納骨先を確保する
  2. 移転先から受入証明書を発行してもらう
  3. 現在、お墓がある墓地から埋蔵証明書を発行してもらう
  4. お墓がある市区町村に改葬許可申請書、受入証明書、埋蔵証明書を提出し、改葬許可証を発行してもらう
  5. 閉眼供養を行い、遺骨を取り出す
  6. お墓の解体撤去工事を行う
  7. 移転先へ納骨する

遺骨の移転先

以上が墓じまいの大まかな流れになりますが、墓じまいをした遺骨はその後どうなるのでしょうか?

墓じまいにおいて、もっとも骨の折れる作業は、遺骨の行き先を考えることです。
遺骨の移転先は、お寺が遺骨を将来的に合葬して永久に管理してくれる永代供養墓が多いです。

永代供養墓も個別型合葬型があります。

個別型は、永代供養つきの一般墓地に墓を建立します。
納骨時は個別に納められますが、三十三回忌など一定年数の経過後は、合葬型のお墓に合祀されるのが一般的です。
建てかえや引っ越しとさほど変わらない印象となるため、墓じまいをする本人にも、親族などの周囲にも抵抗が少ない方法です。
ただし、合葬型よりは費用が高くなります。

一方、合葬型は、個別型よりも費用はかかりませんが、先祖のお墓が亡くなったという印象は否めません。

そのほか納骨堂、墓石ではなく樹木のそばに遺骨を埋葬する樹木葬、海や山などに遺骨を撒く散骨、といった供養のかたちを選ぶ人もいます。

ただし、樹木葬と散骨に関しては、故人の遺志によって行われるべきで、先祖の骨を遺族や子孫の独自の判断で、樹木葬にしたり、散骨したりすることは、周囲の理解を得にくいかもしれません。
その他、夫婦両家のお墓を一つにまとめる両家墓も増加しています。

墓地を返還する方法

改葬などで、既存のお墓が必要なくなった場合には、遺骨を取り出した後、墓地を所有者に返還します。
つまり、墓地使用権を返還することになります。
返還するときは、墓石などを撤去し、墓地を更地に戻すのが一般的です。
その際には、いったん支払った永代使用料は返還されないことがほとんどです。
規定によっては、永代使用料の一部が戻ってくる墓地もあります。

墓じまいを考える人の悩み

子どもや孫などの承継者がいない場合や頼れない、頼りたくないという場合のように、お墓の将来が心配になることがあります。

墓じまいが注目されているのは、

  • お墓が遠くてお墓参りに行けない
  • 今後、墓守がいなくなる

といった悩みを持つ方が増えているからです。

「お墓のことは誰かが考えているだろう」に要注意!

お墓の今後については、例えば、「主人の兄弟で話し合っていると思います」というようなシニア層が多いのではないでしょうか。
「誰かが考えているはずだ」と勝手に思い込みがちです。
そのため、実際に、高齢の両親から「お墓のことはまかせる」と言われて初めてお墓のことを自分の問題として考え始めたという人は少なくありません。

そんなときに、「実家の近くに住んでいる兄弟姉妹や親族に今後もお墓の面倒を見てもらおう」というのはあまりにも虫のいい話です。
いくら、お墓の維持・管理に必要なお金は出すと言っても、決して任された兄弟姉妹や親族もいい顔はしないことでしょう。

お墓を継ぐとは?お金を出せば解決するのか?

改めて、お墓を継ぐということについて考えてみましょう。
お墓を継ぐ=お墓に対する祭祀の義務を負うことです。
お墓を継げば、慣例に従って法要を営む必要がありますし、お墓が寺院墓地であれば、檀家として寺院を支える必要があります。

このように、義務が生じることから、お墓の近くに住む兄弟姉妹や親族に対して、お金を出せば解決というわけにはいかないでしょう。
とは言え、遠くに済む長男がお墓を守るというのもまた非現実的です。

お墓について考えるきっかけに

このような場合には、まずは、次の2点について考えてみましょう。

  • いつか自分も入るであろうお墓をどうするのか?
  • 自分はどんなお墓に入りたいのか?

そして、それを踏まえて、

  • 今後、お墓は誰が引き継ぐのか?
  • このお墓をどう守っていくのか?

を曖昧にせず、しっかり家族、親族を交えて話し合いましょう。

もし、近くに住む兄弟姉妹や親族にお墓のメンテナンスをお願いできたとしても、そのお墓を次世代にどう引き継ぐのか?という問題は残ります。
そのため、根本解決を目指しましょう。

無縁墓の増加により墓じまいが増えている

そして、墓じまいが増えている背景には、地方を中心に無縁墓が増えている無縁墓の増加という社会問題があります。
無縁墓とは、お墓の名義人と連絡がつかず、放置されたままになっているお墓です。

1分でわかる無縁墓とは?無縁墓が増えている理由と無縁墓を増やさないためにすべきこと

先祖代々のお墓が社会問題にもなっている無縁墓になってしまうという危機感から、次の世代の親類縁者には負担をかけたくない、そのために、自分の代で責任を持ってお墓をおしまいにしようという思いから、墓じまいがなされています。
今のお墓をどうすべきかという差し迫った問題に対して、高齢者は残される子どもにお墓に対しての負担をかけたくないという思いと、いつか無縁墓になってしまうかもしれないという不安から、適切に処分する墓じまいという方法を選ぶ人が増えているのです。

無縁墓になる可能性のある人は、初めから永代供養をお寺や霊園にお願いしておくのがよいでしょう。
お寺や霊園のほうも、承継者に対して不安のある人が増えてきていることから、柔軟な対応をしてくれるところが増えています。

墓じまいで重要なことは?

お墓を管理してきてくれた墓地、寺院への配慮

墓じまいでは、上記のように次の埋葬方法を選ぶことは重要ですが、同じくらい大事なことは、これまで長年お墓を管理してきてくれた墓地、寺院への配慮です。
墓じまいを決めたら、墓地の管理者に申し出ますが、今のお墓が寺院墓地にある場合には、伝える時期や伝え方に配慮が必要です。

寺院墓地の場合、原則として、墓地の使用者は檀家で、お墓を移すということは、檀家をやめること意味します。
檀家でなくなると、寺院によってはお墓の管理費が入らなくなるだけでなく、お寺を経済的に支える人が減ることを意味します。
地方の寺院にとっては、檀家離れは大きな問題で望ましいことではありませんので、単に墓じまいだけを伝えるとトラブルが生じることもあります。
墓じまいや改葬を事務的に伝えるのではなく、しっかりと墓じまいの理由や目的、希望する時期などを伝え、これまでの感謝も伝えた上で、お寺側にきちんと納得してもらいましょう。
遠方で訪問が難しい場合などを除いて、できれば早い段階でお寺に出向くのが理想です。

その他、故人と縁のある親戚に対しても配慮し、墓じまいをする前にきちんと説明し、納得してもらいましょう。
こちらも墓じまいの後に、トラブルになってしまう可能性があります。

お寺とのトラブルを避けるために気をつけるべきこと

改葬、墓じまいの相談は早めにする

改葬、墓じまいを決めたら、できるだけ早い段階でお寺に伝えましょう。

事務的な対応は避ける

一方的に改葬の希望日を伝えるのではなく、改葬について相談するという姿勢でいましょう。

これまでの供養に対する感謝を伝える

寺院墓地の特徴の1つが手厚く供養してもらえることです。
これまでお世話になったことへの感謝をしっかりと伝えましょう・

改葬の理由などを具体的に伝える

自宅の近くにお墓を移してこまめにお参りしたい、承継者がいなくなることに備える必要がある、など、改葬の理由をきちんと伝えましょう。

お布施の額はこれまでのお付き合いをもとに決める

改葬にあたり、これまで先祖代々の供養でお世話になったお礼としてお布施を包みます。
お布施の金額はこれまでのお付き合いをもとに決めます。
一般的には、法要1~3回分程度が目安です。

本来、離檀料というものはない

寺院墓地からお墓を移す際に離檀料が必要と言われることがあるようです。
ただ、本来、離檀料というものはなく、檀家をやめるための特別な費用はありません。

万が一、法外な費用を請求されたり、遺骨の取り出しに必要な書類を発行してくれない、などのトラブルになった場合には、専門家など第三者に間に入ってもらいましょう。

墓じまい、改葬にあたってお布施を包む習慣はありますが、それは檀家側のお礼の気持ちであって、お寺から請求されるものではありません。
お布施を包む場合には、付き合いの年月にもよりますが、法要の1~3回分が目安とされています。
このお金は法的に必要なお金ではなく、先祖代々の供養でお世話になった感謝の気持ちを伝えるためのお金と考えましょう。

自分自身の心の整理

自分自身の心の整理も重要です。
きちんと次の遺骨の埋葬方法を納得のいく方法を選んで、墓じまいしたことを後悔しないようにしましょう。

例えば、散骨を選んで、遺骨を撒いてしまったら、その後に何に対して、手を合わせることが故人の供養になるか、わからなくなるということもあるかもしれません。
そうならないように手元供養ができる方法を考えるのも1つの手でしょう。

遺骨だけでなく、墓石をプレートにして、家に飾るという方法もあります。
故人との縁を失わず、故人のことを末永く供養できると思える方法を見つけてから、墓じまいをするようにしましょう。

墓じまいを計画するときは自分たちのお墓も同時に考える

墓じまいをするということは、将来自分が入るお墓もなくなるということを忘れてはいけません。
墓じまいは、子どもや孫にお墓を承継させないことを前提に行うものです。
そのため、先祖の遺骨の埋蔵法としては不向きと思える樹木葬や散骨も、選択肢の1つとなります。

しかし、残された人がとまどわないように、遺言書で意思を伝える、生前契約を行って金銭的な負担をかけないようにするなど、きちんとした対応をとりましょう。

墓じまいを依頼する業者選びも慎重に

墓石を処分する際に、専門の業者に依頼すると思いますが、その依頼先の業者をどこにするかも重要です。
墓じまいによる墓石の処分は、解体業者が行うことが多いですが、なかには作業中に近隣の墓石を傷つけたり、引き取った墓石を不法投棄する業者もあるようです。
基本的には信頼できる業者、できれば墓石の取り扱い専門の墓石業者に依頼するとよいでしょう。

墓じまいのサービスとしてはミキワ産業の墓じまいのサービスがあります。

墓じまいは、各サービスによって金額やサービス内容が大きく異なりますが、ミキワ産業なら、解体・撤去、行政手続きの代行、アフターフォローなども含めて165,000円(税抜)~からお願いできます。

お墓のミキワのセットプラン
  • 無料見積もり
    職人が墓所へ伺い、現場調査をした後、見積りをします
  • 行政代行手続き
    面倒な行政手続きを提携の行政書士が代行して、行政に提出します
  • 遺骨の取り出し
    遺骨を丁寧に取り出し、その場で渡すか、希望の場所があれば郵送します
  • 墓石の解体・処分
    職人が丁寧に墓石を解体し、不要となった墓石は処分場へ運び処分します
  • 墓所跡を更地に戻す
    隣接するお墓に配慮して、敷地部分を綺麗に整地します
セットプランの価格(金額は税抜表示)
1㎡未満 165,000円~
1~2㎡未満 195,000円~
2~3㎡未満 235,000円~
3~4㎡未満 265,000円~
4~5㎡未満 295,000円~
申し込みの流れ

問合せフォームより見積り依頼

②詳細見積り
スタッフが墓地へ行き、現地調査をしたのち、見積書を作成します。
見積書を確認後に、正式に申し込みます。

③契約
送付される書類に必要事項を記入後、返送します。
料金の支払いは銀行振込となります。

④行政手続き代行
提携の行政書士によって改葬許可証等、各種行政手続きをしてもらいます。
名義変更のため、戸籍謄本が必要になる場合は提出が必要になることがあります。

⑤遺骨の取り出し
埋葬されている遺骨を取り出してもらいます。
なお、遺骨を取り出す前に僧侶に依頼して閉眼供養が必要となります。
閉眼供養を依頼するお寺がない場合は、僧侶の紹介もお願いできます。

⑥墓石の解体・整地
墓石を解体・処分してもらい、敷地部分を綺麗に整地してもらいます。

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