お墓は、物理的には、お骨の収蔵場所です。
ただ、それだけではなく、故人や家を象徴し、供養する記念碑としても機能しています。
家を象徴するものであるため、墓石には「○○家」と刻まれます。
お墓の前で手を合わせるのは、故人だけでなく、先祖を偲び、今自分があるのは先祖のおかげであると感謝をするためのものでもあります。
目次
お墓にかかる費用
一般社団法人・全国優良石材店の会が発表した「2014年お墓購入者アンケート調査」によると、墓地取得費用を除いた暮石の購入金額は、全国平均で約163.7万円となっています。
中でも最も高い地域は九州で、223.6万円です。
反対に最も安いのは、中部地方の148.5万円で、75.1万円も違います。
お墓の仕組み
お墓は台となる石の上に棹石をのせた縦長の和型のものが一般的です。
お墓の脇には、墓誌を記す碑が置かれて、埋葬者の俗名や戒名、享年が順に記されています。
多くは、墓石の後ろには卒塔婆を立てる卒塔婆立てがあり、正面には花立、水鉢、香炉などが置かれます。
お墓の地下に骨壷が収蔵できるようになっており、カロートと呼ばれるお骨の収蔵庫があります。
お墓を建てる3つの理由
都市部では、新しくお墓を建てる人が増えています。
新しくお墓を建てる人のお墓を建てる大きな理由は次の3つです。
理由①:自分たちのため、あるいは親のためにお墓を新たに建立する
先祖代々のお墓があってもそこには入らず、自分の代で新しくお墓を造る場合です。
家でいえば、新築にあたります。
実家の長男など現在あるお墓を継ぐ人がいれば問題ありませんが、継ぐ人がいない場合は、無縁化させないための措置をとる必要があります。
具体的には、永代供養墓として寺院などに管理を依頼したり、遺骨を共同墓などに合祀して墓じまいをしたりします。
理由②:実家のお墓を近くの墓地に移す(改葬)
郷里などにある古いお墓の遺骨を取り出して、新しいお墓に埋葬し直す場合です。
言ってみると遺骨の引越しで、改葬を呼ばれます。
墓石ごと新しい墓地に移転する方法もありますが、墓地によっては、古い墓石の使用を禁じているところもあります。
事前に確認しましょう。
理由③:実家のお墓を両家墓、永代供養墓などにかえる
夫婦ともに実家のお墓を継ぐ立場の場合には、のちのちの供養の利便性などを考えて、両家のお墓を合体させた両家墓に作り直すこともあります。
家でいうと、二世帯住宅への建て替えです。
また、自分に子どもや孫がおらず、あるいは独身のため、お墓を継いでくれる人がいない場合には、実家のお墓を永代供養墓として建てかえることもあります。
お墓に対する最近のトレンド
ここ数年で、葬儀やお墓に対する考え方は大きく変わりました。
以前は、葬儀は地域の人が助け合って行う大事な儀式で、先祖のお墓は守るのが当然でした。
しかし、現在は、故郷を離れて、核家族やシングル世帯で暮らす人が増えており、地域とのつながりは希薄化しています。
葬儀に関しては、少人数で行う家族葬が一般的なものになりました。
お墓に関しても、地方では墓を守る人がいなくなり、無縁墓と呼ばれる引き取り手がいない墓が増えて、深刻な問題になっています。