お墓参りは、故人を偲び、先祖を敬う気持ちを表す、とても大切な行事です。
多くの人は、日々の暮らしに追われていますが、時には時間を作り、お墓参りをしてご先祖様に会うことも大切です。
お墓が遠くにあると足が遠のきがちですので、お墓を建てるときは、お参りしやすい立地を選ぶことも重要です。
目次
お墓参りの時期:お墓参りはいつがいいの?
お墓参りにはできれば年に最低4回くらいは行きたいものです。
適切な時期としては、お盆、春と秋のお彼岸、命日などが一般的です。
仏式では、お盆、春と秋のお彼岸、故人の祥月命日、年末にするのが一般的です。
お盆
お盆は、先祖が年に一度、この世に帰ってくるとされる時期です。
お墓参りは、できれば13日の盆の入りにしましょう。
お盆にはお墓参りをしよう!お盆の時期や日にち、供養について解説
春と秋のお彼岸
彼岸は、先祖と交流できるとされる時期です。
祥月命日、月命日
祥月命日が4月1日なら、月命日は毎月1日です。
特に、祥月命日などの大事な節目には自宅で僧侶にお経をあげてもらった後、家族で墓参りすると良いでしょう。
都合がつかない場合は、早めにお参りしましょう。
以前は、毎月の月命日などに自宅で僧侶が来て、お経をあげる月参りが、多くの家庭で習慣になっていました。
しかし、昨今では、葬儀後は、法要の際にしかお寺との縁がないというケースも少なくありません。
ただ、日常的に僧侶と会って、仏縁を感じて生きるということは、たいへん大切なことです。
そのため、葬儀後もぜひ月参りを行いたいものです。
さまざまな事情で僧侶と毎月は難しいというなら、毎年の命日、お盆、お彼岸などの節目に来てもらう、あるいは潅仏会(釈迦の誕生を祝う仏事、花まつりとも)、法話会、写経教室、参禅会などの仏事に参加するという関わり方もあるでしょう。
お墓参りはいつでもOK
実は、お墓参りは、時期に限らず、お墓参りはいつ行っても構いません。
思いたったら、何度でもお墓参りをしましょう。
就職、結婚などを機に自分の近況を報告して故人と語り合うために墓参りする人もいます。
節目の報告など、機会あるごとにできるだけお墓参りをしましょう。
お墓参りのお日柄
友引や仏滅、大安などお日柄はいつがいいの?と思う方がいるかもしれませんが、これらはお墓参りにはいっさい関係ありません。
お墓参りはもともとルールによって強制されるものではありません。
お墓参りは、お世話になった故人や親しかった故人の冥福を祈るものです。
心で会い、心で語り、現世の私たちを見守ってくれるようにお願いするものです。
したがって、お墓参りは思い立った日が吉日と言えます。
お墓参りのマナー・作法
具体的なお墓参りのマナー・作法についてはこちらをご参照ください。
お墓参りの服装
お墓の清掃
お墓参りの持ち物
お墓参りの予約
お墓参りを前もって予約しておかないと困るケースもあります。
それは年忌法要などで塔婆を立てる時です。
塔婆供養で必要な事項は、少なくとも10日前にはお寺に頼んでおく必要があります。
予約は早ければ早いほど良いと言えるでしょう。
代理墓参りやお墓参り代行サービス
お墓が遠くにある、体調が悪いなどの理由で、お墓参りができない場合には、近くの親戚や知人に、代わりにお墓参りをしてもらうことがあります。
これを代理墓参りと呼びます。
また、最近では、石材店や生花店、便利屋などが、お墓参りの代行サービスを行っているケースもあります。
お彼岸について
お彼岸の時期
お彼岸は、春と秋の年2回あります。
3月の春分の日(3月21日頃)と9月の秋分の日(9月23日頃)を中日(ちゅうにち)として、その前後3日ずつの7日間を彼岸と言います。
つまり、お彼岸の期間は年によって異なります。
初日を彼岸の入り、最後の日を彼岸の明け、春分、秋分の日は彼岸の中日と言います。
彼岸は正式には彼岸会(ひがんえ)と言い、寺院では彼岸会と言われる法要を行い、死者の供養を行います。
一般的には、お墓参りをして、故人やご先祖様を供養します。
彼岸の入りと彼岸の明け
彼岸の初日を彼岸の入り、彼岸の最終日を彼岸の明けと言います。
お彼岸とは?彼岸の意味
彼岸は、先祖と交流できるとされる時期です。
彼岸とは、現実の世の中を意味する此岸(しがん)に対する向こう岸=極楽浄土という意味です。
仏教では、迷いのない悟りの世界=浄土に渡ることが何より大切な修行です。
極楽浄土は、本来は現世の概念で理解するものではありません。
しかし、私たちの世界にあてはめて考えて、太陽が沈む西方を亡くなった後に向かう浄土の方角(西方極楽浄土)と定めて、太陽が真西に沈む春分と秋分は、先祖たちと交流できる彼岸の時期と呼ぶようになりました。
ちなみに、極楽浄土のように、形のないものを形で表すために、方法と便宜を図るという意味の有相方便が誤った形で使われて、今日の嘘も方便になったとされます。
彼岸の供養
彼岸の時期には、各寺院で、故人の供養とともに、六波羅蜜(ろくはらみつ)の教えを会得する大切な行事である彼岸会と呼ばれる彼岸に営む法要が営まれます。
彼岸のお墓参り
彼岸には、家族そろってお墓参りをするのが慣習になっています。
お墓参りの時期はお彼岸、お盆、年末年始?お墓参りの時期について解説!
お墓参りをする場合、掃除がしやすい動きやすい服装がおすすめです。
最近亡くなった方の場合は、地味な色の服装のほうが失礼がありません。
お墓参りの際にお寺にご挨拶するなら、手土産として菓子などを持参しましょう。
なお、お布施を包むこともあります。
限られた彼岸の期間中にお墓参りできないことは当然あるでしょう。
多少時期がずれても、時間を調整してお参りするか、自宅の仏壇に故人の好きだったものをお供えして、供養するとよいでしょう。
彼岸会などの法要には、卒塔婆供養をすることは尊いこととされています。
彼岸の供養の供え物
春のお彼岸にはぼたもちを、秋にはおはぎを仏壇に供えます。
どちらも米とあんで作る同じものです。
季節の花に由来して春は牡丹にちなんで牡丹餅、秋は萩の花にちなんでお萩と呼ばれています。
お盆には、ぼたもち・おはぎとともに、仏様に精進料理を供え、家族も同じものを食べる風習もあります。
精進料理とは、昆布などのだしを使って、野菜や乾物類などの材料を取り合わせたものです。
その他、花や果物をお供えして、その他、故人の好きだったものをお供えします。
お仏壇に供えたものは、家族で召し上がったほうがよいとされています。
初めてのお彼岸で特別にすることはある?
新盆と異なり、初めてのお彼岸にしなくてはいえけないことはありません。
通常のお彼岸と同様に、仏壇やお墓をきれいにしてお参りするほか、寺院との付き合いがある場合には、彼岸会と呼ばれる法要に参加します。
彼岸会に持っていくもの
彼岸会に参列する場合には、御布施、御供養の表書きでお金を包むか供物を持参します。
供物には、紅白の花結び、または結び切りのかけ紙で御供物、御供の表書きにします。
お彼岸のお参り
お彼岸のお参りに持っていくもの
お彼岸のお参りに行く場合には、御仏前としてお金を包むか、菓子折りなどの供物を持っていきます。
品物に決まりはありませんが、故人の好きだったお菓子や、他の人と重なりそうなら、長く保管できるお線香もよいでしょう。
いただいた御仏前や供物のお返し
事前にいらっしゃることがわかっている場合は、手土産を用意しておきます。
特に、用意していなかったときには、後日相手に負担にならない程度の品物でお返しをしましょう。
お彼岸のお祝い事は避ける
お彼岸はご先祖を供養する期間になります。
決まりはありませんが、お祝い事はその前後の期間にするようにしましょう。
まとめ
お彼岸は先祖と交流できるとされる貴重な時期です。
お彼岸の時期には、お墓参りもしていつも以上に先祖の供養しましょう。
ただし、お彼岸の営み方は、地域独特の風習も多いので、近隣の人や寺院にも確認してから行うようにしましょう。